2016.12.04 Sunday
上の写真が大河津分水の、本流と放水路の分岐部分なんですが、とにかく広いです!
信濃川は手前から奥に流れています。手前に見えるほうの川が信濃川の本流で、写真の右側に洗堰が見えます。奥に見えるほうの川が大河津分水路で、かなり小さく橋脚みたいなのが見えるのが大河津可動堰。端から端まで歩き回っていると、1日が終わってしまう広さで、「これこそ土木のスケールだぜ!」と言いたくなります(^^;)
これが洗堰。可動堰になっていて、通常は新潟市内に信濃川の水を適量流し、洪水になると堰を閉じて新潟市内を水没から守ります。この洗堰は2代目で2000年の竣工です。
閘門がついていて、水運も可能。国土交通省のホームページに閘門の歴史が載っています。
当然ながら、堰の両側に魚道もあります。
3種類あって....
堰柱には、魚道観察室入り口の扉があり....
窓ガラスから魚が見えるらしいんですが、今回は何も見えませんでした(^^;)
石とコンクリートと金属でできていて....
擬石ではなく、本物の花崗岩のようでした。いささか薄い石だけど(^^;)
もちろん、構造はコンクリートで石は化粧材です。
水が流れているはずの場所を見下ろそうとすると、なぜかそこには石の壁があって、かなりビックリ!!
鉄の門扉があるはずでしょ、普通。
下流側から見ると、あの石の壁はカーテンウォールだったんですね。しかし、堰柱は圧縮がかかるものだから石積みの意匠でもいいとして、カーテンウォールは曲げ材なんだから、石を貼る必要はないんじゃないかなぁ? あるいはマルチプルアーチダムみたいに、カーテンウォールをアーチ型にするという強引な手もあるかもしれませんが、しかし、そもそもカーテンウォールの下部は空洞なんだから、積層材としての石材を使うのは難しいですよね。
(カーテンウォールという言葉は建築でも使われますが、だいぶ意味が違います。可動堰や水門のカーテンウォールは、可動部分を減らすために使われます。洪水を止めるためには川底からカーテンウォール天端までの高さの壁が必要なんですが、平時の通水に必要な開口は、下部の一部分だけで良いわけです。そこだけを開閉式とし、残りは固定のコンクリートの壁にするわけです。この壁をカーテンウォールと言います。)
下流側はこんな形。堰柱の垂直面と斜面ではどうしても斜面の方が先に汚れてしまいますが、いずれは全体が黒く汚れて違いが分からなくなるといいですね。
動画もどうぞ。
丸い部分の石貼り工事は、大変だったでしょうね。菱形の石ですもんね。
角落とし用の溝は、SUSの金物とコンクリートと石材の納まりが難しいところですね。
上流側の丸い部分は、こうなっていました。石張り部分に縦に目地が通っているのはどうしてなんでしょう?
曲面部分だけじゃなくて、平面部分にも定期的に縦目地が通っています。なぜなのか、ちょっと想像できませんでした。
ところで、可動堰って、メカが見どころですよね(^^)
油圧シリンダーの明るい色と、磨かれたSUSのシャフトの輝きが目立っています(^^)
戸当り金物も、素人でも機能的に分かりやすい部分なので、ばっちり見せたいところ。一方、管理用通路や柵はもっと暗い色でも良かったかも....
上部は薄い金属パネルで覆われていて....
鉄骨で支えられています。このパネル、機能的に必要なのかどうか、ちょっとわかりませんでした。
他にもいろいろあるのに、洗堰だけでも時間がかかります(実際に見た時にはここを最後に見たんですが)。
次回に続きます。
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Category:新潟県