2016.12.21 Wednesday
ここに最初に橋(初代の萬代橋)が架けられたのは、1886年(明治19年)で、その時は橋長が現在の2.5倍ぐらいあったそうです。大河津分水路ができたのが1922年(大正11年)で、それで新潟市内に流れこむ水量が減少したので、川を半分ぐらい埋め立ててしまって、橋が短くなりました。
スタンフォード大学のサイトから引用
昭和6年(竣工後2年後)の地図では、橋の右岸側(にひがた駅側)を埋め立てて川幅が狭くなった様子がよく分かります。
表面に厚い石が貼ってあるので、石橋のように見えます。橋全体にむくりがあって、中央の2径間がスパン長もライズも一番大きく、川岸に近いほど小さくなっています。
よく見ると、球体の物がほとんど水没しています。これは橋の上流側にはしばしば見られる半球状の水切りなのですが、地盤沈下で水没しているんだそうです。
土木学会図書館デジタルアーカイブスから引用
古い写真では球体の上半分ぐらいが見えます。現在よりもアーチのライズが高くてカッコいいです(^^)
ところで、この橋の高欄は高さが85cmしかありません。現代の規格の110cmにする計画もあったそうですが、市民運動などによって元の高さのまま保存されています。2004年には国の重要文化財に指定されています。
文化財指定に先立ち、萬代橋を架橋当初の姿にできるだけ復元する工事も行われています。照明灯も当初の形状に復元されたものです。
萬代橋は、路面電車を通す計画があり、照明灯には架線用のフックが付いています。22mという橋の幅員もそれを見込んだものでした。
橋側灯も復活しました。これらの整備は、2009年の土木学会デザイン賞優秀賞を受賞しています。
上路アーチ橋は、河積阻害率が高いので、日本で河口近くに建設されることは珍しいです。大河津分水路によって洪水が軽減されたことも、一役買っているんでしょうね。
リンク:
土木学会図書館デジタルアーカイブス戦前土木絵葉書ライブラリ
土木学会図書館デジタルアーカイブス土木貴重写真コレクション
初代の萬代橋を含めて、古い写真が沢山あります。
重要文化財萬代橋
国土交通省による説明サイト
ときをつなぐ 三台目萬代橋七十五周年記念誌
国土交通省による、すごく詳しい、綺麗な資料です。
Wikipedia
概要がまとめてあります。
位置:景観デザイン事例地図
大きな地図で見る
スマホのGoogleMapアプリで開く
Category:新潟県