2017.02.14 Tuesday
藤倉ダムは、1911年(明治44年)竣工の、水道用ダム。構造は重力式粗石コンクリートダムで、高さ16.3m、頂部の長さは65.1mあります。落水表情がものすごく綺麗!水道施設全体の計画に「近代上水道の父」中島鋭治が携わったものです....
藤倉ダムは、大分県の「白水ダム」、愛知県の「長篠堰堤余水吐」とともに日本三大美堰堤の一つだそうです。
ものすごく華奢なトラス橋が架かっています。建設コンサルタント協会の記事によると、当初は越流部に7つの橋脚のあるRC橋を造るつもりが、工事中の洪水で壊れたので、この形に変更されたそうです。
原位置に存在する道路トラス橋としては、わが国最古だそうです。施工は東京石川島造船所(現株式会社IHI)。
ちなみに、高知県大豊町に架かる旧吉野川橋も、同じく1911年の竣工で、こちらも「原位置に存在する道路トラス橋としては、わが国最古」を名乗っていますね(^^)
残念がら橋を渡ることはできないのですが....
立ち入り禁止の看板が素晴らしいです。「険」の字なんか、ホントに凄い!
半円形に突き出ているのがバルブ塔で、取水設備が収まっているそうです。
11月に行ったので、樹木の葉は落ちていたんですが、それでもよく見えなくて残念(^^;) 突き出ているのは巻き上げ機らしいです。
バルブ塔のちょうど下流側に当たる場所に、アーチ型の石積みが残っていて、その下にあったはずの開口部は塞がっています。工事中の写真ではここから盛大に水が出ているので、湛水前にはここから水を抜いていたのかもしれません。土砂吐きにも使えそうですが、塞がっているし、どうだったのでしょう?
下流には洗掘防止用の副ダムがあります。
堤体のデザインも凝っています。表面は型枠を兼ねた自然石だと思います。
壁高欄のディテールも綺麗
このあたりは、補修されたのでしょうか?
右岸側に放水路があります。
山を掘り、岩を削って造ったそうです。
角落としで水位調節されています。かつては木橋が架かっていたそうです。
水道施設としては現役を退いているので、ダム湖はもうほとんど土砂で埋まっているように見えました。
下流には、沈殿池の跡地なども残っています。
藤倉ダムは、近代水道100選に選定されています。また、1993年に重要文化財建造物の種別として「近代化遺産」が新設されましたが、「藤倉水源地水道施設」と「群馬県の碓氷峠鉄道施設」が、その第1号でした。
参考リンク:
建設コンサルタント協会のホームページ
土木コレクション。
文化財オンライン
秋田市のホームページ
位置:景観デザイン事例地図
大きな地図で見る
スマホのGoogleMapアプリで開く
藤倉ダム竣工の2年前には、青森県で大湊第一水源地堰堤が竣工しています。
Category:秋田県