景観デザインを目指せ

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脇谷洗堰(北上川分流施設群 その2)
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前回紹介した鴇波洗堰の近くにある、脇谷洗堰(わきやあらいぜき)。写真の右側の蒲鉾みたいな形をしたコンクリートが、それです。その左に見えるゲートが脇谷閘門、一番左に見えるのが脇谷水門。
 
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現地の看板の写真です。左端に鴇波洗堰、右端に今回紹介する脇谷閘門と脇谷洗堰。

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脇谷洗堰は、鴇波洗堰と同じ1932年(昭和7年)の竣工(1931年という史料もあります)。堰長は23.6m。こちらも堰の下に6門のオリフィスがあって、普段はそこを水が流れます。洪水になると蒲鉾の上を越流します。また、蒲鉾の中にはオリフィスでの流量を調節するラジアルゲートが入っているそうです。

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そして、向こう側に見えるのが脇谷閘門。こちらは1931年(昭和6年)の竣工。当初の計画では鴇波洗堰のほうに閘門も造る計画だったのが、変更されてこちらに造られました。

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幅員7.9mで、ゲート間60m。

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土木学会図書館のホームページ昔の絵葉書の写真があるのだけど、ゲートを駆動する機械類は、竣工時のままのようで、今でも現役です。スゴイ!

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操作室?もコンクリート製です。この細さのコンクリート、どうやって造ったのか不思議です。当然鉄筋も入っているでしょうから、なかなかコンクリートが流れていかないですよね。

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滑車とか歯車とかチェーンとか、いろいろ組み合わさって、カッコいい(^^)

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コンクリートのアーチ構造で、石積み風の目地が入っています。キーストーンとか細かいところまで良くできてますね。

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角は部分的に傷んで補修されたようですが、最初は銀杏面だったのでしょうか? こだわってますねぇ(^^)

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洗堰と閘門設備の取り合いの部分とか....

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なんだか素晴らしい造形。壁の上部の笠石風のデザインとか、階段のディテールとか、そこまでやるか!という感じ。ちなみに、左上に写っている橋梁とか、階段周辺の柵とか、昔は無かったようです(上記の昔の絵葉書)。

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下流側のゲートと階段。

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閘門の方から洗堰の水路を見ると、岩盤を削って水路を造った事が分かります。鴇波洗堰が地盤が悪かったので、脇谷洗堰では地盤の良さそうな場所を選んだのだと思います。

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洗堰の水路と閘門の下流側出口の合流点です。水路を分ける壁の端部は、岩盤を掘り残してあるようで、良いデザインですね。現代の工事だと、とにかく全ての岩盤を撤去してから、コンクリートで全て造ってしまうと思います。

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脇谷閘門の横にある脇谷水門。脇谷水門と呼ばれるものは2つあって、こちらは古い方。洗堰や閘門と並行して放水路が掘られていて、その呑口にある水門です。下記の参考文献によると、鴇波洗堰と脇谷洗堰が施工中だった昭和2年に、信濃川放水路の自在堰の陥没、倒壊が起き、その影響で放水路が増設されたようです。

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鉄製の引き上げ式扉があるはずなのだけど、どうなっているのか良く分かりません。

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脇谷洗堰、閘門、水門、放水路も、選奨土木遺産に選定されています。

参考ホームページ
北上川・鳴瀬川の改修の歴史(国土交通省)
きょうどをひらく(宮城県)
土木コレクション(土木学会)
北上川分水施設の建設史と遺産的価値に関する研究(土木学会)

位置:景観デザイン事例地図

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Category:宮城県
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