2010.08.17 Tuesday
北駅歩道橋(Fußgängerbrücke am Nordbahnhof, North Station Footbridge)は、先日紹介した、ハイルブロナー通り歩道橋と連続している橋で、IGA1993(シュトゥットガルト国際園芸博覧会)の開催に合わせて建設された橋です。設計は、ヨルグ・シュライヒ(Jörg Schlaich)
奥に見えるマストがハイルブロナー通り歩道橋、手前が北駅歩道橋です。ライプフリード庭園(Leibfriedscher Garten)とバルトベルク(Wartberg)を繋ぎ、シュトゥットガルトのグリーンUを構成しています。
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この橋も三つ叉の橋です。上の航空写真の右下に伸びる通路は、北駅(Nordbahnhof)のホームに繋がっています。写真の右側に見えるのが北駅です。この橋は、駅と公園を結ぶ橋でもあります。改札はないので駅のホームに直接、橋が繋がっています。
北駅までの通路は長〜いので、その全てを釣り構造で支えるというわけにもいかず、途中からは細い円柱の橋脚で支えられた連続桁構造になっています。シュライヒの作品集によると、橋脚がなるべく目立たないように、できるだけ細くしたそうです。コンクリート床板の厚さが、釣り構造の部分と連続桁構造の部分で同じにしてあるので、2つの構造がとてもスムーズに連続して見えますね。床板厚を揃えるために連続桁のスパンが短いのだと思います。
この橋のマストは、三つ叉交差点の床板の中央に立っています。メインケーブルがマストから3本出て、途中で2つに分かれ、6本のメインケーブルで3つの通路を吊っています。
ケーブルが分岐するところのディテールは、ハイルブロナー通り歩道橋と同一です。
この橋ではマストに照明が付いていました。
マストの根本には、落書きが一杯(^^;) マストに沿って張られているワイヤの役割はよく分かりませんでした。
この橋を下から覗くことはできなかったのですが、ハンガーケーブルの定着もハイルブロナー通り歩道橋と同一のようでした。鉄道の架線に触れないためと思われる庇がついています。
高欄も同一のデザイン。橋の向こう側がライプフリード庭園です。
橋詰めにシンボリックな樹木を植えるというやり方は、橋のデザインの本によくでてきますが、それが実践されている例は案外少ないように思います。
ところで、この橋には "Brünner Steg" という名前もあるようです。Brünnerというのは、チェコ共和国の都市ブルノのことで、シュトゥットガルトの姉妹都市だそうです。
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Structurae
Category:ドイツ