2011.02.25 Friday
先日は日本に現存する最古の鉄の橋「心斎橋」を紹介しましたが、今回は世界初の鉄の橋として有名な「アイアンブリッジ(The Iron Bridge)」です。鋳鉄製の橋で1779年の竣工です。日本初の鉄の橋「くろがね橋(長崎県:現存しない)」は1868年なので、それより約90年前ということですね。
一番上の写真のようなアングルのものばかり見ることが多くて、森の中に架かっているようなイメージがありますが、対岸には建物がたくさんあります。
橋の突き当たりはホテル(^^)
セヴァーン川渓谷に架かっています。この渓谷は「アイアンブリッジ峡谷(Ironbridge Gorge)」として世界遺産(文化遺産)に登録されています。ここは産業革命が始まった場所、つまりエイブラハム・ダービー(Abraham Darby I )がこの地で、コークス製鉄法を発明したのだそうです。このあたりは石炭や鉄鉱石の採掘が簡単で、舟運にも便利だったそうです。
4径間の橋で、左側の側径間は石のアーチ、右の2連の側径間は鉄製です。なぜ全部鉄にしなかったのでしょう(^^;)
メインスパンは30.5m
鋳鉄の棒の部品をくみ上げてつくられています。
接合部は、木造の仕口みたいな感じですね。
橋詰もきれいに収めてあります。
橋を眺める場所も設えてあります。
設計はトーマス・プリチャード(Thomas Farnolls Pritchard)、施工はアプラハム・ダービー3世(この人は前述のコークス製鉄法を発明した人の孫)。
トーマス・プリチャードは、橋の完成を見ずに亡くなられています。
けっこう幅員が広いんです。歩道と車道が分かれていますが、現在は歩行者専用です。
歩車道境界縁石も鋳鉄製!
高欄はずいぶん背が高いです。
橋の中央の飾りには....
竣工年の1779の文字。
橋を渡りきったところに建物があります。
この建物は、もとは料金所(有料道路だったんです)で、現在は展示館になっています。
建物の壁には料金表があります(^^)
対岸から振り返ったところ
鋳鉄がひび割れたりして補強しながら使われているらしいです。現役なのは素晴らしいですね。
写真集:
位置:
より大きな地図で 景観デザイン事例地図(ヨーロッパ編) を表示
リンク:
Structurae
The Iron Bridge(Wikipedia(英))
Category:イギリス