2011.06.16 Thursday
久々のシュライヒの橋シリーズ(^^;)
コッヘンホーフ通り歩道橋(Kochenhof Pedestrian Bridge)は、キルスベルクの公園と駐車場を結ぶルートにある、車道を跨いで架かっている橋です。橋長は約42m。
吊り材のたくさんあるシュライヒらしい?橋です。荷重を支えるメインケーブルと、変形や振動をおさえる下側のケーブルで引っ張られています。
道路の両側は盛土で高くなっています。文献を読むと、下のケーブルは、当初はもっと低い位置に計画されていたそうですが、工事中にトラックがこのケーブルに気付いて急ブレーキをかける(もちろんクリアランスは確保されていたんですが直前までケーブルに気付かないのでビックリするらしい)ことがあり、追突の危険もあったため、下ケーブルの位置を高く変更したんだそうです。
もうケーブルを張り終えていたので、下ケーブルの面を、橋床板のエッジを中心に回転させることによって、下ケーブルの位置を変えたそうです。スゴイ
桁下から見ても、すごくきれい。2.5mピッチで黒っぽい横桁が床板を支えています。横桁の上に鉄のデッキプレートがかけてあって、その上にコンクリートが打ってあります。
橋床板の厚さは、わずか13cm。橋床板のエッジの鋼製アングルに高欄が直接溶接されています。シンプルでいいなぁ。高欄が曲がっちゃった時の交換とか、考えないのかなぁ(^^)
みごとなディテール
マストは橋の片方だけです。高さは10.5m。
鋼管を3本、組み合わせてあります。3本を接合する板のカーブとか、細かいところまでデザインされています。
鋼管3本が集まる場所の収まりとか、大変だと思うんですが奇麗
すごい
マストはわずかに外側に傾いていて、倒れないように2つのマストの天端がケーブルで繋いであります。このマスト、とてもきれいだと思うんですが、シュライヒは、このようなマストはあまりお気に入りでないらしいです(^^;)
マストの傾きにしたがって、ハンガーケーブルが上広がりになっていて、開放的ですね。
橋詰に高木が植栽されていて....
マストがきれいに隠れてしまいます。そのつもりで植栽されているんでしょうね。
橋の上から。バスが出てきているところが、キレスベルクの公園です。
マストの反対側では、橋台にケーブルが定着されています。
かっこいい
内側から見るとこんな感じ
マスト側の高欄端部には、なんだかよくわからない枠があります。
プレートを上から差し込むための枠のように見えるので、イベント時に看板が入るんでしょうか?
例によって、橋詰まできれいにデザインされています。こちらは駐車場側。
キルスベルクの公園に降りて行く階段もきれい(^^)
位置:
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Category:ドイツ