2011.08.03 Wednesday
シュトゥットガルトの南西、郊外の谷に架かる Nesenbach Valley Bridge(Nesenbachtalbrücke)、なんだかウロコが剥がれて骨が見えちゃったヘビみたいですよねぇ(^^;)
橋長は約150mの6径間連続橋です。設計はシュライヒの事務所なんですが、 Structurae にはシュライヒの個人名は出ていません。
谷の両側は住宅地になっていて、高速道路が住宅地の脇をトンネルで抜けています。谷の部分で両側のトンネルを結んでいるのがこの橋です。あばら骨の中を高速道路が走り、その上に歩行者・自転車用の細い橋があります。ウロコのようなものは騒音防止用の遮音壁です。
橋のデザインよりも先に、まず、ここにトンネルをつくることに感心してしまいます。トンネルの上にはたいして土被りがないんです。日本だったら、十中八九開削してしまって法肩に遮音壁が並ぶことになるんですが、トンネルになっているおかげで住宅地には全く騒音がありません。
GoogleMapを見ると、谷の南側(上の写真の側)のトンネルの上は公園になっています。ひょっとしたら、いったん開削して埋め戻したのかもしれません。谷の北側トンネルは鉄道の下をくぐっているので、開削というわけにはいかないかもしれませんが。
橋の下を見ると、シュライヒお得意のツリー状の鋼管の橋脚。
トラス構造は、コンクリート床板が上弦材を兼ねた複合構造。鋼管の接合部はすごく滑らかに見えますが、鋳鉄のジョイントを介してパイプが接合されています。
あばら骨とトラスのピッチがちゃんと揃っています。
ウロコはステンレスでできています。あばらのピッチは6.5m。
このあばら骨は、トンネル坑口のコンクリートシェルと同じ形の楕円です。端部のあばら骨は、坑口のコンクリートシェルに接続されていますから、トンネルと橋を同時に(あるいは協調して)デザインんしたんでしょうね。これもスゴイ。
自動車で走り抜けはしなかったんですが、トンネルの形とあばら骨の形がそろっていて、走りやすいのかもしれません。
住宅地から見ると、気持ち良さそうですよねぇ(^^)
橋詰のデザインもすごくきれい。
橋の上からの眺めも良いです。
高欄はシンプルなものですが....
照明は、シュライヒらしからぬ感じ。あとから追加されたのでしょうか?
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Category:ドイツ